27歳を迎えたかず青年は毎日寿司屋の仕事とその後のビール。ラグビーとプライベートでは仲間とワイワイ充実した毎日を送っていた。
親や今までの人間関係から物理的にも離れ、誰人にも干渉されず、お金にも大きな不自由もせず、新婚の二人ただ毎日を楽しく暮らしていた。
そんなある日、いつも通り15時に仕事が終わり、その足でプールでトレーニングをしていたところに、友人が、、、。
妻がバスに乗っている時に事故に遭い、今救急車で病院に運ばれた。何度電話しても出ないから俺のところに連絡がきた、すぐに病院に向かうぞ!と。
病院での妻は事故のショックで気持ちが不安定ではあったが、怪我やなどはなく一安心。
事故の原因は、運転手が持病のてんかんが発症しコントロールが不能、ブロックの壁に激突したというもの。
翌日の朝刊一面に写真付きで取り上げられていたから相当な事故だった。
事故の衝撃で体を打ったので念のため検査しましょう、となったよう。
しかし、この検査でガン細胞が見つかり要精密検査の結果が。
この事故が幸か不幸か、新たな壁にぶつかり夫婦や将来、追いかけていた夢など考え直すきっかけにもなった。
20代でガン、という言葉を自分に向けられたとき妻は本当に辛かったと思う。
ガン=死、のようなイメージだったから、そんなとき夫の自分は何ができるか、を考えた。
妻の体が一番。それには不安にならないよう笑顔で元気に自分自身が接する。
NZでの独立起業は諦め、日本でまた時期を見て挑戦すればいい。
そうだ、お金ももっと必要になるかもしれない、ちゃんと稼がなくっちゃ、と。
自分自身、小学校4年生の夏、海でおぼれライフガードに助けられ、救急車で病院に。そのまま集中治療室で1週間入院、死んでもおかしくない経験をしている。
やはり人生は有限なんだ、今を生きなければいけない、と強く思った。
妻はまず日本に一時帰国して検査、そして必要であればその治療を最優先。
幸いに日本で手術を受け患部を摘出、その後5年の定期検査を経て無事完治となった。
このことで、かず青年は目が覚めた。
夢を語り、その実現のためにNZに渡航したこと、妻の人生も重ね一緒に生きていくことの大切さと責任のようなもの、そのためには自分自身が行動しなければ何も手にできないと。
ヨシ!いっちょ本気出して独立起業を叶えるぞっ!