NZ経営21年の歴史で最悪の環境

2002年に創業して今年で22年を迎えようとしている。

そのあいだ様々な景気の変動、ここ最近ではコロナ。それが過ぎても物価上昇、金利上昇、移民政策の変更など。

オークランドの中心地は未だ企業が戻りきらず、それまでの人の流れ、人口に大きな変化が起きたままだ。

空き物件も目立ち、店舗も撤退や倒産も起きている。

これはNZで起業して21年来、一番悪い環境だと感じている。

うちの直営店舗でも20%〜30%売り上げが減少している。

賃金、家賃、仕入れ値、エネルギーコストなど全てが上向きの中、家庭を直撃している物価高の影響で外食機会が著しく低下していることで集客、売り上げの低迷が続いてきている。

ここで思うのが、順調な時(平時)にどれだけ有事に備えることができたか、をつくづく感じる。

商売(ビジネス)は、現金で始まり、現金で終わる。という言葉がある。

これはどんなに売り上、集客、美味しいものを提供できても「現金」がなければ会社は潰れるということを意味している。

さて話を戻し、現状どこのレストランも商品の値上げをおこなっている。

もちろんスーパーも例外ではない。

先日NZの寿司持ち帰り大手、セントピアーズさんのお店を通る機会があった。

目立つ商品を$14.9など$15のラインを意識した値付けと陳列、メニューの表示となっていた。

やはり目線がとても素晴らしい。

今顧客は、リーズナブルな価格(安いという意味ではなく、お買い得感のある価格)にとても敏感。

ならば、お客様のためという姿勢であれば、値上げをしない、可能であれば値下げをおこなうことが一番喜ばれる局面ではないか。

もちろんこれには現金が十分に蓄えられていることや出店コストをすでに回収完了しているなどクリアしておきたい条件はある。

経営者として実はこれまで値上げはそれほど難しい判断ではなかった。しかし、値下げは大きな決断が必要。

現金の保有、そして戦略の決断が今後の大きな分かれ目になるのではないか。