判断や決定をするにあたり、考え方は二つあるのではないか思っている。
一つは「頭で考える」
ルールや法律、過去の実績や方針に従っているかなど。
もう一つは「心で考える」
状況や環境、良心、生き様など。
経営者は方針に沿って運営をしていくのだが、そこに人間の心情や世の中の状況、そしてその変化が絶えず起こっている。
過去に決めたことだけで先に進めようとすると問題が生じる。
問題が起きると、やり方が間違っていた、または相手方が悪いなどその原因を探そうとする。
「心で考える」でも問題は起きる。
決めたルールとの矛盾、過去の判断と違うなど、こちらも問題が起きる。
同じ問題が起きるにした時に、「頭で考える」判断であれば間違いのもとを納得しやすい。
それはやり方の反省や運、相手方などの責任としてやり過ごすことが容易いからだと思う。
しかし「心で考える」場合、今までと違うことをするからだ、ルールと違うことをするからだ、とその判断した「人」が責任を負う形になる。
故に、この「心で考える」という行為を避ける傾向に人間はあるのだと思う。
他人との比較、常識、習慣などで物事を完全に整理しようとすると理屈は通るが現実には無理が生じることはよくあることだ。
経営者が「心で考える」と世間ではワンマン経営者、上手くいけばカリスマ経営者なんて呼ばれる。
ワンマンもカリスマも自分以外の誰かが発する表現。
どの判断をしても間違いの要素は排除できない。完璧は存在しないと仮定すると、考え方も絶対は存在しない。
「心で考える」これを止めると、もはやその創業者は経営者ではなくなっているのかもしれない。